<鳩山首相不正経理会見詳報 09・12・24>

<鳩山首相不正経理会見詳報>「責任を痛感 国民におわび」
12月24日19時14分配信 毎日新聞


 鳩山由紀夫首相は24日、自身の資金管理団体の政治資金規正法違反事件で元秘書が起訴されたのを受け、東京都内で記者会見した。

 ◇会見の詳報は次の通り。

 急きょのお集まり、ありがとうございます。国民のみなさまに現在の私の思いを正直にお伝え申し上げたく、急きょ記者会見を致すことになりました。お許しを願えればと思います。東京地方検察庁は私の資金管理団体であります友愛政経懇話会の収支報告書の虚偽記載問題について捜査で解明した事実に基づき、本日処分を下しました。また、この検察による解明を受けて弁護士による調査チームから事実関係に関する2回目の報告を受けました。

 この問題につきましては6月30日の記者会見におきまして、弁護士の調査報告に基づく説明をさせていただきましたが、その段階でも、その後の調査でも全容が解明されるには至っていませんでした。そして検察による捜査が始まって以降、捜査に全面的に協力してまいり、その一環として今月18日には弁護士からの助言もいただき、検察に対して説明文を任意で提出させていただきましたところでございます。

 この間、調査を依頼した弁護士の方から、口裏合わせとの誤解を招きかねないため本件の関係者と直接連絡を取らないこと、また捜査協力の一環として捜査中の事柄については発言を控えるように、助言を受けておりました。私自身が何も知らず、説明できないことを大変もどかしく思いました。また、身近な人間に話を聞くことも誤解を受けると言われたことで大変つらい思いも致した次第であります。しかし自らが告発を受けている立場であり、そして野党第1党の代表、その後は総理として言動を慎み、検察の捜査に委ねるべきことが最善と自らを納得させてまいりました。説明責任を果たしていないではないかという国民からのご批判もいただきましたが、国会でも捜査による解明を待ちたい、捜査によって全容が解明された後にご説明させていただきたい、そのように申し上げてまいったところでございます。

 検察の捜査によって資金管理団体である友愛政経懇話会等の収支報告において、この5年間で大変多額の虚偽記載があったことが解明されました。検察の判断を重く受け止め、資金管理団体の会計責任者、会計実務担当者の秘書に対して、責任を痛感致しているところであります。お名前を勝手に拝借し、ご迷惑をおかけした支持者のみなさん、知人のみなさん、そしてご遺族のみなさま、ご迷惑をおかけしたすべてのみなさま、そして国民のすべてのみなさま方に深くおわびを申し上げます。

 私の初当選以来、政治資金集めから収支報告書の提出に至るすべての政治団体の活動にかかるものに加え、政治家個人としての政治活動、そしてプライベートにかかわる経費についても、かつまたその処理を一手に引き受けてくれていました。政治団体の政治活動資金以外でも日々の会食や会合、国内外に出かける旅費、議員の任意活動である議連や政策活動、パーティー会費や仲間のみなさんとの冠婚葬祭のお付き合い、個人として借りている事務所の家賃など、数えたことはありませんが年間で相当の経費がかかっていたと思い起こしております。勝場(啓二・元公設第1秘書)が万事滞りなくことを運んでくれていると勝手に思っており、私は資金のやり取りや手続きの心配をすることなく、安心してすべてを任せ切っていたというのが実態でございます。

 私自身の資産については、勝場の求めに応じて私の資産を管理していただいている六幸商会への指示書に私が署名捺印(なついん)して、お金の取り扱いは勝場に委ねておりました。それが政治資金として使われるのか、あるいはプライベートに使われるのか、それをどう処理するのかについては長年における勝場への信頼から安心して任せておりました。この6年間で総額3億2000万円という金額になることも、最近弁護士から指摘された次第であります。

 勝場は虚偽記載を行った理由について、政治家としての私に資金調達能力がないように思われたくなかったことと、自分が調達努力を怠っていると見られたくなかったことから、私には何も言わずにやったと供述していると報告を受けました。なぜもっと、勝場そして芳賀(大輔・元政策秘書)を含め事務所のスタッフとコミュニケーションを取らなかったのか、勝場の悩みも含めて事情を把握する努力を怠ってしまったのか、猛省してやまないところでございます。

 しかし真実、今振り返ってみても、不自然さや疑問を感じていませんでした。あまりにもずさんではないかというご批判をいただいております。その通りだと思います。父親の代から手伝ってくれておりました勝場、そして私が議員になる前から手伝ってくれていた芳賀、2人とも非常にまじめできちょうめんで誠実に仕事をしてくれているという信頼感が前提にございました。誠に私の不徳の致すところであります。

 さらに地検の捜査によって、母からの資金提供が事実であり、私の個人資産とともに虚偽記載の原資にも充てられていたということが確認されました。親から大金を用立ててもらい、知らぬはずはないと思われるかもしれませんが、弁護士による調査の過程で勝場に問いただしても、一貫してそういうことはないと答えていたということです。私はまったく本当に承知しておりませんでした。勝場の否定をふまえてそういうことはないと信じていると申し上げてまいりました。まさに調査の限界を痛感する次第です。年間1億8000万円もの資金提供を受けていながら、なぜそのことに気づかなかったのか、国民のみなさま方が疑問に思われるのは至極当然のことだと思います。

 親も私も常に、周りの人々が私たちのことを、なにくれなく面倒みていただく環境にありました。正直に申し上げて、親や周りの者とお金の話を直接することなどほとんどございませんでした。私に心配をかけまい、体面を傷つけまいとして日々苦労をしてもらったことが、結果として、今日このような事態につながったのだと思っております。結果として年老いた母親に大変な親不孝をしてしまいました。また私のために勝場や芳賀の家族にもつらい思いをさせてしまったと思っております。

 母からの資金提供につきましては、法に照らして的確に対応すると、国会でもそう申し上げてまいりました。これが貸し付けなのか贈与なのかという議論が一時あったようでございますが、私自身がまったく関与もしていないところでお金を借りていたなどというはずはありません。それもおかしな話でございます。また、「このお金のことは何も知りませんでしたので贈与税を免れたい」などという発想自体、あり得ないことだとご理解願いたいのでございます。承知していなかったとはいえ、私のために提供され、私の政治活動や個人活動のために使われたということでありますので、捜査で解明された事実に基づいて、母からの贈与として、2002年にさかのぼって申告をして、すみやかに納税を行ってまいります。

 贈与税の対象となる資産は、総額で12億6000万円となるということでございますので、納税額は概算でも6億円を超えることになると聞いております。収支報告書の虚偽記載については、検察の捜査や、五百蔵(いおろい=洋一)弁護士の調査報告書で示されている内容を事実として受け止めております。今後、できうる限りすみやかに残された疑問点を含めて実態を確認して、収支報告書、閣僚の資産公開、国会議員の資産報告について修正をしてまいります。また、私の政治活動、政治団体の活動における資金管理のあり方を抜本的に見直して、改めるべき点を抜本的に改善してまいりたいと考えております。

 政治資金管理は、法定監査だけでなく、日常的に公認会計士などにチェックを委託して、過ちを繰り返さぬように致します。また、今後は言うまでもありませんが、母からの資金の提供を受けることはありません。

 私の取るべき道について申し上げたいと思います。今私がこのことをもって進退を語るとするなら、それは政権交代という勇気ある選択をしていただき、民主党を中心とする鳩山内閣による政策遂行に期待をして応援してくださっております国民の多くのみなさまに対する責任を放棄をしてしまうということになると思っております。また、難題が山積する中で政治が今立ち止まることは許されないとも思っております。

 過去の発言について弁解することもございません。しかし私は私腹を肥やしたり、あるいは不正な利沢を得たということは一切ございません。私はご批判は真摯(しんし)に受け止めさせていただき、改めるべきところは抜本的に改め、政治家としての私の使命を果たしていくことが私の責任である、そのように改めて決意を致しているところでございます。

 国民のみなさま方に率直におわびを申し上げ、改めて国民生活が第一の政治、この原点に立ち返って、身を粉にして私が果たすべき使命を果たすこと、それが今の私の置かれている責任だ、責任の取り方だと、そのように考えております。以上、私が今申し上げましたように、検察によって真相が解明され、事実が確認をされ、処分が下されました今日、国民のみなさま方に対するご説明とさせていただきたいと存じます。

 なお、私が東京地方検察庁に提出した説明文、「ご説明」ということでございますが、その概要を公表させていただくところでございます。以上でございます。

 ◇質疑応答

Q:よろしくお願い致します。本日の記者会見は内閣総理大臣ではなく、衆議院議員・鳩山由紀夫としての会見だというふうにうかがいました。その意味するところは何なのか、そういう点と、本日、議員バッジをつけていらっしゃらないようですが、そのことにもし意味があるのであればということをお願い致します。

鳩山首相:はい、お答えを致します。それは、これは総理大臣としての行為ということではなく、1人の政治家、鳩山由紀夫という国会議員としての今回、友愛政経懇話会にかかわる政治資金問題だという理解でございまして、そこで今日もご司会も政府関係者ではない方に、奥村(展三)総務委員長にお願いをしたところでもございます。

 また私はバッジは国会の中でつけるべきものだと思っておりまして、国会の外では基本的につけないようにしておりまして、そこには他意はございません。

Q:先ほど総理のほうから、過去の発言について弁解することはないということでしたけれども、総理の野党時代、政治とカネの問題について秘書の責任は国会議員の責任だと、辞任を求めた経緯もありました。こうした発言と今回の事件の整合性について、どういうふうにお考えでしょうか。

鳩山首相:私が先ほど申し上げましたように、過去の発言に対して、そのことを否定するつもりもありません。自ら遺憾と思っております。事実は事実として申し上げたいと思います。

 私が、その過去の発言というものをかえりみて思っておりますのは、私腹を肥やしたり、不正の利得というものを陰でいろいろと得ていながら、それを表に公表しないというような偽証が中心であるとか、そういうふうに思っておりまして、先ほど申し上げましたように、今回の件に関して、そのような私腹を自分で肥やしたという思いは一切ないと。不正な利得を得たという思いも一切ないものでございますので、私は責任の取り方として、先ほど申し上げましたように反省すべきところは当然、反省を致します。改めなければならないところは、あると思います。

 しかし、今、政権交代をしろと多くの方々がご支持いただいた連立政権の歩みを止めるわけにはいかん、その思いのもとで、苦しくとも、この身を、職を、今、なげうたずに続けさせていただきたい、その思いを決意として持っているところでございます。

Q:今の質問に関連しますけれども、総理がですね、現政権を続けていくということで、それが責任を果たすことだというふうにおっしゃっていますけれども、もし総理でなかった場合は、今回の事案が発見された場合、議員をお辞めになっていたということなのかということと、今回の責任の取り方について、具体的に何か形として、考えていらっしゃるものがあるのかということについて、教えていただければと思います。

鳩山首相:仮定のことでありますので、今、十分にお答えできないかもしれませんが、私は過去の発言というものは、確かに自分なりに発言したことは理解しております。ただ、くどいようですが、自分のポケットマネーを増やすとか、そういう私腹を肥やすために、秘書が犯したことではないと、そのように確信をしておりまして、その意味において今までの私の発言と今回の私の事象との間で、違いがあるのではないかと思っております。

 従って、仮定のことで答えることができませんが、そのような立場に立っていたら職を賭していたのか、あるいは議員を辞めるのかということになると、分かりませんが、辞めていない可能性もあると、そのように考えております。

 それから具体的な取り方ということでありますが、それは当然2人の人間に対しての処分の仕方というのがあるわけでありますが、私としては今、政治の遅滞を許すことはならないという思いのもとで、少なくともこの身をしっかりと新たな決意のもとで行動するということが責任の取り方だと、このように考えているところでございます。国民のみなさんが、どこまでご理解いただけるか、それは分かりませんが、それこそ、初心に立ち返って真剣に仕事を行う姿をお認めをいただくことによって、ある意味でご理解を深めていただくしかないと思っております。

Q:日本テレビです。総理、私腹を肥やしたという思いはなかったとおっしゃっていますが、それは仮にそうだとして、一方で税金の使い道を決める最高責任者である総理大臣が、お読みになった文書によると6億円近い税金を免れていたという事実があるわけです。総理の説明に対して我々の世論調査でも8割の人が納得できないと答えています。

 国民の声を聞くと普段言っている鳩山総理が、国民がやはりこれで納得しなかった場合に、実際に納得していないと感じた場合、改めて自らの進退とか考え直すということがあるのか、今後のことについておうかがいしたい。

鳩山首相:結果としてこのような形になったことが判明しました。でもご案内の通り、普通の家庭であれば、母親から1カ月1500万円という巨額なことだけでもとんでもない話だ、知らないはずがないだろうという思いがあると思います。私もなぜ、母も黙っていたんだろう、秘書も私に何も伝えなかったんだろう、そのことは今さらのように思います。ただ迷惑をかけたくない、余計な心配を与えてやりたくないという親心だったとも思います。

 国民のみなさんにはそのことがお分かりにならないと思いますし、なぜという気持ちが、私の中にないわけではない。お礼もおわびも母に伝えることができていないところです。国民のみなさんが、なかなか信じていただけないのは私にも分かります。事実は事実として正直にお伝えしないとならないとお伝え申し上げています。だから、決して免れたいわけではなかったというわけであります。結果としてそうなっていたということです。その事実が判明した以上、法にのっとって当然のことながら、こうなれば贈与ということになろうかと思いますので、贈与税を支払わせていただくということです。

 ご理解をいただけないかもしれません。従って国民のみなさんがどのように思ってくださるか分かりませんが、私としては説明を自分なりに尽くしたいと思っています。それでもご理解をいただけない、「鳩山辞めろ」という声が圧倒的になった場合、国民の声を尊重しなければならないと感じていますが、そうならないように努めていきたい。そのように感じています。

Q:毎日新聞です。お金の贈与のことは分かるんですが、これだけの巨額のお金をどう使ったのか。その使った中におかしなお金とか、政治資金とか、巨額のお金が流れている以上、何らかに使われていると判断し、その使われ方が総理に言いづらいことだったので、総理自身がご存じなかったのではないかという推測さえしたくなるのですが、その使い方についてどうお考えでしょうか。

鳩山首相:あまりにも巨額なので、そのようなお考えになるのは分からなくもない。ただ私は、どうしても私だけのお金では足りなくなったということで、窮余の一策で、直接か間接かは分かりませんが、泣きついていったと思います。それは何か不正のことをやりたいということではないと信じています。

 むしろトータルとしてお金が全く足りなくなった。鳩山は裕福の出だから、鳩山のところに寄付してやろうなどという方がなかなか現れなかったのかもしれません。努力は足りなかったのは事実だと思います。圧倒的に足りなくなったという状況の中で、それを埋め合わせるために使ったと私は理解したいと思います。具体的にどのようなところに使われているかに関しては、私には細かいところはまだ分かっていない。むしろ弁護士からお話をいただければと思います。

 弁護士:今の質問に対して私のほうも、具体的に何に使ったかその全容はわかりません。私たちが調べたところ特になかった。この場合には、東京地検が調べました。その東京地検の捜査の中で、おそらくそういう点もいろいろお調べになった。その中で問題なかったのだろうと理解している。

Q:毎日新聞です。総理は責任を引き続き果たしていくというふうにおっしゃいましたが、総理自身も認めたように難題が山積している中で、今後の政権運営に対して総理自身の問題がどういうふうに影響していくとお考えでしょうか。

鳩山首相:すべて政権運営に全く影響がないとは思っておりません。それだけにご迷惑をかけるということもあるいは出てこないとは限りません。しかし、むしろ今、政治空白を招くよりは、しっかりとした決意のもとで責任を果たしていくほうがより政権運営にとってプラスではないかと今は考えています。

 極力、国民のみなさんに説明責任を果たすように最大限努力をしていますが、こんなふうに、こんなことを行わせていく中で国民のご理解を深めていただくということに尽きるのではないかと思います。あるいは国会の場でさまざまあろうかと思いますが、そこはしっかりと行動して前向きに政権運営を進めていくと。国民のみなさんのためにしっかりと、社会保障の問題とか予算の問題とか議論を通じて、この政権のすばらしさというものを出るように、ご理解を深めていくことが肝要ではないか、そのように思っています。

Q:(TBS)各社の世論調査では、総理が説明責任を果たしていないというふうに考える人が過半数になっています。こうした中で、総理は今おっしゃったように、国民は、ご自身が説明されて国民に理解してもらうということですけど、国民が理解したというふうにご自身が判断されるようになる基準はどのようにお考えでしょうか。逆に国民に理解されていないというふうに思われることがあるとすれば、どういう場合だとお考えでしょうか。

鳩山首相:私はこの、いくら真実を正直にお話し申し上げても、この種の問題は、なかなか国民のみなさんに分かったとご理解いただけないと思います。ただ事実は事実なものですから、私は事実を正直に今日もお話し申し上げて、分かっていることはすべて、自分の思いとして申し上げているつもりでありますが、なにせ額が大きいということも含めて、また、なぜ勝場がこのようなことを行ったのかということの原因も、まだ納得いただけない方も多いかと思います。

 従って説明責任というものを私としてはいくらでも正直にお話を申し上げているつもりでありますが、なかなか分かったと言っていただけないのではないかと、そのことは大変つらい思いがございます。ただ、そのことと、何かまだ合点がいかないなあということと、しかしでも、政権運営はしっかりやれよという思いは、また必ずしも同じではないと思っておりまして、しっかり、頑張れよというお気持ちをどこまで国民のみなさんにお示しいただけるか、それを一つの基準に考えていきたい、そのように思っております。

Q:(北海道新聞)総理の政治の原点はクリーンな政治ということをずっと掲げてこられたと思うんですけれども、そのことに対する影響と、民主党はマニフェストにも企業団体献金の禁止と個人献金の拡充をうたってますけれども、このことを実現するために今回の件が影響するのかどうかお聞きします。

鳩山首相:私自身、まったくこのようなことが行われていることが理解しておりませんでした。その意味でクリーンな政治を行いたいと常に申し上げていた私にとって、まさに汗顔の至りと思っております。従って、なおのこと、こういうことも起きるということも、自分自身の反省として学ばせていただく中で、今まで以上に、じゃあどうすればよりクリーンな政治というものが行われるのか、一方では、やはり企業からいろんな思いを含めて献金を受けることよりは、個人の方々から、よりクリーンな献金、寄付をしていただくことのほうが、私は良いという判断を、党としても致したわけでございますので、その方向はこれからも変えていくべきではないと、基本的にはそう思っています。

 これは、いわゆる献金を受けていないのにもかかわらず、受けたように虚偽記載をしたという事件でございます。それだけに、このようなことが起きないような仕組みというものを、より厳しく作り上げていかなければならないのは一方で事実だと思いますが、しかし、方向性として、やはり、さまざまな企業団体の要望を受ける政治とそれによる献金の政治というものの中で、癒着というものが行われてきた経緯もあります。そこはやはり断たなければならないということで、私どもとすれば、基本的な方向性は曲げずに進めていくべきと、そのように私としては考えているところであります。



http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091224-00000019-maiall-pol

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【鳩山会見詳報】 
12月24日20時6分配信 産経新聞


 鳩山由紀夫首相は24日夕、都内のホテルで自身の資金管理団体をめぐる偽装献金問題について記者会見で行った。

 詳報は以下の通り。

 「急遽(きゅうきょ)お集まり、ありがとうございます。国民のみなさまに現在の私の思いを正直にお伝えを申し上げたく、記者会見をいたすことになりました。お許しを願えればと思います」

 「東京地方検察庁は私の資金管理団体であります友愛政経懇話会の収支報告書の虚偽記載問題について、捜査で解明した事実に基づき本日、処分を下しました。また、この検察による解明を受けて、弁護士による調査チームから事実関係に関する2回目の報告を受けました」

 「この問題につきましては6月30日の記者会見におきまして、弁護士の調査報告に基づく説明をさせていただきましたが、その段階でも、また、その後の調査でも全容解明には至っておりませんでした。そして検察による捜査が開始されて以降、捜査に全面的に協力してまいり、その一環として今月18日には、弁護士からの助言もいただき、検察に対して説明文を任意で提出をさせていただいたところでございます」

 「この間、調査を依頼した弁護士の方から、口裏合わせとの誤解を招きかねないため、本件の関係者と直接、連絡をとらないこと、また、捜査協力の一環として、捜査中のことがらについては発言を控えるようにと助言を受けておりました」

 「私自身が何も知らず、説明できないことを大変もどかしく思いました。また、身近な人間に話を聞くことも誤解を受けるといわれたことで、大変、つらい思いもいたした次第でございます。しかし、自らが告発を受けている立場であり、そして野党第1党の代表、そしてその後は総理として言動を慎み、検察の捜査に委ねることが最善と自らを納得させてまいりました」

 「説明責任を果たしていないではないかという国民のみなさま方のご批判もいただいてまいりましたが、国会でも捜査による解明を待ちたい、捜査によって全容解明された後にご説明をさせていただきたい、このように申し上げてまいったところでございます。検察の捜査によって、資金管理団体である友愛政権懇話会等の収支報告において、この5年で大変多額の虚偽記載があったことが解明されました。検察の判断を重く受けとめ、資金管理団体の会計責任者、会計実務担当者の起訴に対して責任を痛感いたしているところでございます」

 「お名前を勝手に拝借し、ご迷惑をおかけいたしました支持者のみなさん、知人のみなさま、そしてご遺族のみなさま、ご迷惑をおかけしたすべてのみなさま、そして国民のすべてのみなさま方に深くおわびを申し上げます」

 「私の初当選以来、政治資金集めから収支報告書の提出に至るすべての政治団体の活動にかかるものに加え、政治家個人としての政治活動、そしてプライベートにかかわる経費についても、勝場(啓二元公設第1秘書)がその処理を一手に引き受けてくれていました。政治団体の政治活動資金以外でも、日々の会食や会合、国内外に出かける旅費、議員の任意活動である議連や議員政策研究活動、パーティー会費や仲間のみなさんとの冠婚葬祭のお付き合い、個人として借りている事務所の家賃など、数えたことはありませんが、年間で相当の経費がかかっていたと思い起こしております」

 「勝場が万事、滞りなくことを運んでくれていると完全に思っており、私は資金のやりくりや手続きの心配をすることなく、安心してすべてを任せ切っていたというのが実態でございます。私自身の資産につきましては、勝場の求めに応じて、私の資産を管理していただいている六幸商会への指示書に私が署名・捺印(なついん)をして、お金の取り扱いは勝場に委ねておりました。それが政治資金として使われるのか、あるいはプライベートに使われるのか、それをどう処理するのかについても長年にわたる勝場への信頼からすべて安心して任せておりました」

 「この6年で総額約3億2000万という金額になることも最近になって弁護士から指摘された次第でございます。勝場は虚偽記載を行った理由について、政治家としての私に資金調達能力がないように見られたくなかったことと、自分が調達努力を怠っているというふうには見られたくなかったことから、私には何も言わずにこういうことをやったと供述していると報告を受けました。なぜもっと、勝場、芳賀(大輔元政策秘書)を含め、事務所のスタッフとコミュニケーションをとらなかったのかと。勝場の悩みも含めて、事情を把握する努力を怠ってしまったのか、猛省してやまないところでございます。しかし真実、今、振り返ってみましても、不自然さや疑問を当時、感じておりませんでした。あまりにずさんではないかというご批判をいただいております。その通りだと思います」

 「父親の代から手伝ってくれておりました勝場、そして私が議員になる前から手伝ってくれておりました芳賀、2人とも非常にまじめできちょうめんで誠実に仕事をしてくれているという信頼感が前提にございました。まことに私の不徳の致すところでございます。さらに、地検の捜査によって、母からの資金提供が事実であり、私の個人資産とともに虚偽記載の原資にも充てられていたということが確認をされました。親から大金を用立ててもらい、知らぬはずはないと思われるかもしれませんが、弁護士による調査の過程で勝場に問いただしても一貫してそういうことはないと答えていたとのことでございます。私は本当にまったく承知をしておりませんでした」

 「勝場の否定を踏まえて、そういうことはないと信じていると申し上げてまいりました。まさに調査の限界を痛感する思いでございます。年間1億8000万円もの資金提供を受けていながら、なぜそのことを知らなかったのか。気づかなかったのか。国民のみなさま方が疑問に思われるのは至極当然のことだと思っております」

 「まさに調査の限界を痛感する思いでございます。年間1億8000万円もの資金提供を受けていながら、なぜそのことを知らなかったのか、気づかなかったか、国民のみなさま方が疑問に思われるのは至極当然のことだと思っております。親も私も、常に周りの人々が私たちのことを、何くれなく面倒をみていただく環境にありました。正直に申し上げて、親や周りのものと、お金の話を直接することなど、ほとんどございませんでした。私に心配をかけまい、体面を傷つけまいと日々、苦労してもらってきたことが結果として、今日このような事態につながったんだと思っております。結果として、年老いた母親に大変な親不孝をしてしまいました。また私のために、勝場や芳賀の家族にも、つらい思いをさせてしまったと思っております」

 「母からの資金提供につきましては、法に照らして的確に対応すると国会でもそう申し上げてまいりました。これが貸し付けなのか、贈与なのかという議論が一時あったようでございますが、私自身がまったく関与もしていないところで、お金を借りていたなどというはずはありません。それもおかしな話でございます。また、このお金のことは、何も知りませんでしたので、贈与税を免れたいなどという発想自体あり得ないことだとご理解願いたいのでございます。承知していなかったとはいえ、私のために提供され、私の政治活動や個人活動のために使われたということでありますので、捜査で解明された事実に基づいて、母からの贈与として2002年にさかのぼって申告をして速やかに納税を行ってまいります。贈与税の対象となる資産は、総額で12億6000万円となるということでございますので、納税額は概算でも6億円を超えることになると聞いております」

 「収支報告書の虚偽記載については、検察の捜査や弁護士などの調査報告書で記されている内容を事実として受け止めております。今後、できうる限り、速やかに残された疑問点を含めて実態を確認をして、収支報告書、閣僚の資産公開、国会議員の資産報告について修正をしてまいります。また私の政治活動、政治団体の活動における資金管理のありかたを、抜本的に見直して、改めるべき点を抜本的に改善してまいりたいと考えております。政治資金管理は法定監査だけではなく、日常的に公認会計士などにチェックを委託してあやまちを繰り返さぬようにいたします。また、今後は言うまでもありませんが、母からの資金の提供を受けることはありません」

 「私のとるべき道について申し上げたいと思います。今、私がこのことをもって進退を語るとするなら、(退陣してしまえば)それは政権交代という勇気ある選択をしていただき、民主党を中心とする鳩山内閣による政策遂行に期待をして、応援してくださっております国民の多くのみなさんに対する責任を放棄をしてしまうということになると思っております。また、難題が山積するなかで、政治が今、立ち止まることは許されないとも思っております。過去の発言について弁解することもいたしません。しかし私は私腹をこやしたり不正な利得を得たということは一切ございません。私はご批判は真摯(しんし)に受け止めさせていただき改めるべきところは抜本的に改め、政治家としての私の使命を果たしていくことが私の責任である。そのように改めて決意をいたしているところでございます」

 「国民のみなさま方に率直におわびを申し上げ、改めて『国民生活が第一』の政治との原点に立ち返って、身を粉にして私が果たすべき使命を果たすこと。それが今の私のおかれている責任だ。責任の取り方だ。そのように考えております。以上、私が今申し上げましたように、検察によって真相が解明され、事実が確認をされ処分が下されました今日、国民のみなさま方に対する説明とさせていただきたいと存じます。なお、私が東京地方検察庁に提出した説明文、ご説明ということでありますが、その概要を公表させていただくところでございます。以上でございます」


 −−本日の記者会見は内閣総理大臣としてではなく衆院議員、鳩山由紀夫としての会見と聞いた。その意味するところはなんなのか。本日、議員バッジをつけてないが、そのことに意味があればということをお願いします

 「お答えいたします。それは、これは総理大臣としての行為ということではなく、ひとりの政治家、鳩山由紀夫という国会議員としての今回、友愛政経懇話会にかかわる政治資金問題だという理解でございまして、そこできょうも、司会も、政府関係者ではない方に、奥村(展三)総務委員長にお願いをしたところでございます。また、私はバッジは国会のなかでつけるべきものだと思っておりまして、国会の外では基本的につけないようにしておりますので、そこには大意はございません」

 −−総理から過去の発言を弁解することはないと言ったが、総理は野党時代、政治とカネの問題について「秘書の責任は国会議員の責任だ」といって辞任を求めたケースがあった。そうした発言と今回の事件の発言の整合性をどう考えるか

 「わたしは先ほど申し上げましたように過去の発言に対して、そのことを否定するつもりもありません。逃げてはいかんと思っております。事実は事実として申し上げたいと思います。ただ私がその過去の発言というものを顧みて、思っておりますのは、私腹をこやしたり、不正の利得というものを陰でいろいろ得ていながら、それを表に公表しないというような事象が中心であったと。そのように思っておりまして、先ほど申し上げましたように、今回の件に関してそのような私服を自分がこやしたという思いは一切ないと。不正な利得を得たという思いも一切ないものでございますので、私は責任の取り方として先ほど申し上げましたように、反省すべきところは当然反省いたします。改めなければならない所も多々あると思います。しかし今、政権交代をしろと多くの方々がご支持いただいたこの連立政権の歩みを止めるわけにはいかんと。その思いのもとで苦しくともこの身を職を今、なげうたずに続けさせていただきたい。その思いを決意としてもっているところでございます」

 【責任】

 −−首相が現政権を続けるということが責任を果たすと言ったが、首相でなければ議員を辞めていたのか。また、今回の責任の取り方について、具体的に何か形として考えているものはあるか

 「仮定のことでありますので、今、十分な答えができないかもしれませんが、私は過去の発言というものは、確かに自分なりに発言したことは理解をしております。くどいようですが、自分のポケットマネーを増やすとか、そういう私腹をこやすために秘書がおかしたことではないと、そのように確信をしておりまして、そこの意味において、今までの私の発言と今回の私の事象との間で違いがあるのではないかと思っております。従って、仮定のことで答えることはできませんが、どのような立場にたっていたら、職をとしていたかっていう、あるいは議員を辞めたかっていうことになると、わかりませんが、辞めていない可能性もあると、そのように考えております」

 「それから具体的な取り方ということでありますが、これは当然、2人の人間に対しての処分の仕方というのはあるわけでありますが、私としては今、政治の遅滞を許すことはならないという思いのもとで、つらくともこの身をしっかりと、新たな決意のもとで行動するということが、責任のとりかただ、そのように判断しているところでございます。国民のみなさんがどこまでご理解いただけるか、それはわかりませんが、それこそ初心に立ち返って真剣に仕事を行う姿をお認めをいただくことによって、ある意味でご理解を深めていただくしかないんだと、そのように思っております」

 −−税金の使い道を決める最高責任者である首相が6億円近い税金を免れていた。ふだん国民の声を聴く首相が、国民がこれで納得していないと感じた場合、進退について考え直すことはあるのか

 「結果として、そのような形になったということが判明をしました。でも、ご案内の通り、それはふつうの家庭であれば、母親から1カ月に1500万円という、その巨額のことだけでもとんでもない話だと。知らないはずはないだろうという思いはあると思います。私も、なぜ母もだまっていたんだろうと。あるいは秘書も、私に何も伝えなかったんだろうと。そのことは今さらのように思います。ただ、迷惑をかけたくないと。余計な心配を与えて、やりたくないという親心だったとも思います」

 「みなさん方には多分、国民のみなさんには、そのことがおわかりにならないと思いますし、なぜという気持ちが私の中にもないわけではありません。従って、まだ、お礼もおわびも、母にも伝えることができておらないところでございます。従って国民のみなさん、なかなか信じていただけないというのは、私にもわかります。でも、事実は事実として、そういうときにお伝えをしなきゃならないっていうことで、お伝えを申し上げております」

 「だから、今、話がありましたけれども、決して、免れたいということではなかったわけであります。結果として、そうなっていたということであります。その事実が判明した以上、法にのっとって当然のことながら、こうなれば、贈与ということになろうかと思いますので、贈与税を支払わせていただくということを行わせていただくということでございます。ご理解をいただけないかもしれません。従って、国民のみなさんがどのように思ってくださるかわかりませんが、私としては説明を自分なりにできるかぎり尽くしてまいりたい。そう思っております。それでもご理解をいただけないと、『鳩山辞めろ』という声が圧倒的になった場合、私はやはり国民のみなさんの声というものは尊重しなきゃならない。そのようには感じておりますが、そうならないように努めてまいりたい。そのように感じております」

 【使途】

 −−この巨額の金をどうつかったのか。これだけの巨額のお金なら、その中におかしなお金とか、なんらかのところに使われているんじゃないか。首相には言いにくい使われ方だったので、首相は知らなかったのではないかという推測もしたくなる

 「あまりにも巨額なので、そのようなお考えになることもわからないわけではありません。ただ、私は、勝場啓二元公設第1秘書はどうしても、私からだけのお金だけでは足りなくなったということで、窮余の策ということで、直接か間接かわかりませんが、泣きついていったと思います。それは決して何か不正なことをやりたいということではないと、私は信じております。むしろトータルとして、お金がまったく足りなくなった。鳩山は裕福な家だから、鳩山のところにお金を寄付してやろうなどいう方がなかなかあらわれなかったのかもしれません。いろんな、努力が足りなかったのは事実だと思いますが、圧倒的に足りなくなったという状況の中で、それを埋め合わせるために、使ったと私は理解したいと思います。その具体的な、どのようなところに使われているかということに関しては、むしろ、私は細かいところはまだわかっておりません。むしろ、五百蔵(いおろい)弁護士の方から話をいただければと思います」

 五百蔵洋一弁護士「今のご質問に対して、私の方も具体的に何に使ったということの概要はわかりません。ただ、私たちが調べた限りでは特になかった。それからもうひとつは、この場合には、東京地検が調べましたので、東京地検の捜査の中でおそらくそういう点もいろいろお調べになったと思います。その中で、多分、そういう問題がなかったんだろうなと、このように理解しております」

 【影響】

 −−首相は、「責任を引き続き果たす」と言ったが、政権運営に影響はあるか

 「政権運営に全く影響がないとは思っていません。それだけにいろいろと迷惑をかけることも出てこないとも限りません。しかし、政治空白を招くよりもしっかりとした決意のもとで責任を果たす方が、より政権運営にとってプラスだと考えています。極力、国民のみなさんに、この問題に対し、説明責任を果たすために努力させていただく中で、国民に理解を深めていただくことに尽きる。あるいは、国会の場などでしっかりと行動して、前向きに政権運営を進めていきたい。国民のために、しっかりと社会保障や予算の問題などの議論を通じて政権のすばらしさというものが全面的に出るように理解を深めていくことが肝要だと思う」

 −−マスコミ各社の世論調査では「説明責任果たしていない」というのが過半数だが、国民が理解できる基準は何か

 「私は、いくら真実を正直に話しても、この種の問題は、なかなか国民のみなさんに理解をいただけないと思う。事実は事実ですから事実を正直に申し上げ、わかっていることはすべて、自分の思いとして申し上げているつもりです。額が大きいとか、なぜ勝場がこのようなことを言ったのかということの原因も、納得いただけない方も多いと思います。いくらでも正直に申し上げているつもりだが、なかなか『分かった』と言っていただけないのではないか。そのことはつらい。ただ、『合点がいかないな』ということと、『政権運営しっかりやれ』というのは必ずしも同じではない。『しっかり頑張れよ』という気持ちをどこまで国民のみなさんからお示しいただけるか、それを一つの基準に考えていきたいと思います」

 −−首相の原点はクリーンな政治だと思う。そのことへの影響と、民主党のマニフェストにある企業・団体献金禁止方針は、どう影響するか

 「私自身、このようなことが行われていることを全く理解していなかった。『クリーンな政治を行いたい』と、常に申し上げていた私にとって、まさに汗顔の至りだと思っている。従って、こういうことも起きるということを、自分自身の反省として学ばせていただいた。企業から献金を受けるよりは、個人からよりクリーンな献金寄付をいただくほうがいいという判断を党としては判断したわけですから、その方向はこれからも、変えていくべきではないと考えています。献金を受けていないのにもかかわらず、受けたように虚偽記載した事件が起きないような仕組みをより厳しく作りあげていかなければいけないのは事実だ。さまざまな企業・団体の要望を受ける政治と、それによる献金の政治というものの中で、癒着(ゆちゃく)が行われてきた経緯もある。そこは絶たなければならないということで、私どもとすれば、基本的な方向性は曲げずに進めていくべきだと考えています」

 −−政治資金は正当に使われていたということだが、具体的にどのようなことに使ったのか。クリーンな政治に使われてきたのかどうか、説明が必要だと思うか

 「そのことが、もし国民の中にあるとすれば、やはり調べて、私どもの方から何らかの調査をする必要があるかもしれない。領収書も含めて、提出すべき資料は提出申し上げているところです。支出に不正はなかったと理解したい。必要ならばという思いはあります」

 五百蔵弁護士「今の段階ではこちらの方も、具体的な使い道としてですね、具体的な使い道をこれ以上明らかにするといっても、これ以上のことを今、申しあげることは特にないと思います。そこら辺はやっぱりこれから公判が始まりますので、やはりそれを私どもとしてもきちんと見ていきたいと思います。その中でまた私どもが調べなければいけないこと、あるいは勝場さんの弁護士さん、当然、弁護人がおられますので、その方からもう1回、お聞きすると。そういうことを必要なときはやっていきたいと、このように考えております」

 −−政治家個人としての会見ということだが、憲法上、同意しない限り訴追を受けない特権的地位にある首相が、在任中に捜査の対象になった責任についてはどのようにお考えか

 「憲法の問題に関しましては、これは私は、検察の捜査にすべてを委ねると。すなわち検察の判断というものにすべてを委ねる、すべての必要な限りの情報というものを提供申しあげて、検察の方で正確にご判断を願いたいということで、捜査に協力をしてまいりましたし、そしてその判断に委ねる。従って、たとえ首相の身であったとしても、訴追を受けるということがあれば、それは当然、受けるべきだというふうに判断をしてまいりました。すなわち、検察に身を委ねてまいるということを申しあげてまいったところでございます」

 −−「『鳩山やめろ』という国民的な声が圧倒的になれば、その声を尊重しなくてはならない」と述べたが、理解を得られず、鳩山首相にこの国を任せていけないという声が、国民・世論調査の中で高まった場合は、首相を辞任して責任をとる考えはあるのか

 「仮定のお話でございますが、私はそうならないように最善をつくしてまいりたいと思います。おっしゃる通り、先ほどもご質問にお答え申しあげたように、このようなこと、自分自身にとっても青天の霹靂(へきれき)というか、何でこんなことが、という思いがあっただけに、なおのこと国民のみなさま方には、いくら説明をしても、分かっていただけないという部分があろうかと思います。その思いから、それで政治が停滞をして、こんなことではやってられないよ、というふうに国民のみなさま方が、本当にそのように多くのお気持ちがそのような方向に傾いてまいったときには当然首相の職を続けていることが、国民のみなさんにご迷惑をおかけするということになろうかと思います。そうならないように今、私は努めてまいりたいと思いますが、万一そのようなことになったときに、もともと首相の職にかじりついてもやりたいという思いでいるわけではありません。しかし今、責任を果たす道は、むしろここでしっかりと国民のみなさま方からいただいた、日本の政治を大きく変えてくれ、という国民の多くのお気持ちに応えてまいりたい。まだ辛抱強く国民の多くのみなさんがそのようなお気持ちも持っておられるのじゃないかということを思いながら、続けさせていただきたいと、そのように思っているところであります」

 −−現職の首相と政府・与党の実力者である小沢一郎幹事長2人が秘書の件で、刑事裁判を抱える異常な事態だと思う。政権の最高権力者2人が同時に抱えながら進んでいく政権について、率直な感想を

 「率直な感想とすれば、申し訳ないなぁという思い、そして、なかなかこれから政権運営も厳しいぞと、国民のみなさんもそう思っておられると思いますから、それだけになおのこと、しっかりと身を慎みながら、また行動としては、本当に国民のみなさま方の、お気持ちというものをしっかり受け止める政権運営をしていかないといけないという思いを強く感じているところであります」

 −−カネの使い道だが、せめて友愛政経懇話会に使われた部分、その他の政治活動に使われた部分、プライベートな支出という3種の大まかなくくりの比率だけでも教えてほしい

 五百蔵弁護士「私の方で、それではお答えいたします。まだ、もちろん正確なところまで分かりません。ただ、大ざっぱに申しあげますと、北海道での活動、これは北海道友愛政経懇話会と北海道での鳩山由紀夫の個人としての政治活動、それから個人としての、本当の個人の活動といいましょうか、これがですね、だいたい1億円という、年間1億円ということになります。それからあと、秘書などの給与が6000万円台。これは東京の友愛政経懇話会が原則として負担をしております。その他、もろもろの活動、これは実は、もともと勝場氏のやり方というのが、これは友愛、これは個人、個人の政治活動、これはまったくのプライベートというきれいな分け方ではなくて、全部一緒にして収支をつくるといったらいいんでしょうか。その中で、友愛、それから個人の政治家の活動、プライベートと、後で振り分けるというやり方をやったものですから、そこら辺のところは非常にはっきりしないという形。ただいずれにしましても、そういうような残りの政治活動の分がだいたい4000万円、2億円強というようにだいたい踏んでおります。ただ、その点になりますと、検察の方がいろいろ調べていると思いますので、そこら辺また、私どもと少し違う認定をされるのかどうか、そこはちょっと今の段階では私どもには分かりません」

 −−この件が参議院選挙にもたらす影響とそれについての責任についての考えを聞きたい。また仮に支持率が非常に下がって、やめろという声が国民の中で高まったと判断するラインは一体どの程度のラインを考えているのか。そのときは辞任なのか解散なのか、そこまで考えているのか

 「参院の選挙に対して、まったく影響がないとは考えておりません。やはりこういうことに対して国民のみなさん方の厳しい視線というものは、当然あると思います。ただ、その影響をこれから選挙までの間に極力払拭(ふっしょく)するように最大限の努力をしてまいりたい。そのように思っております。従って、勝敗ラインがどうだとか、いうことまで考えているまだ段階でもございません。それから2つ目の質問ということでありますが、支持率がどのぐらいということに関しても、私が今、具体的な数字でそのような考えを持ち合わせているわけではありません。しかし、やはりこのままいったら政治が停滞をすると、まさに、そのようなときに我をはってでも続けることよりも、退いた方が、という思いが、ある意味で自分の心の中に生じたときにはその判断をいたしますが、私は国民のみなさま方に極力丁寧に、また正直に自分の思いをお伝えを申しあげたいとそのようにも思っておりまして、そのような中で、今、お話しあったような事態に陥らないように最善の努力をしてまいりたいと、そのように考えています」

 −−首相は20年前にユートピア政治研究会をつくり、金のかからない政治を目指そうとした。当時を振り返り、今回の事態をどう思うか

 「はい。正直に申し上げれば、悔しいです。あそこで、あそこまで、ある意味で裸になった形で国民のみなさま方にご批判を覚悟で自分たちの政治にどれくらいお金がかかるかということで告白をいたしました。そのとき、自分が1番、使っていたことも判明をいたしました」

 「そこで、私自身も、反省をしてというか、だからこそ中選挙区制ではなく小選挙区制だという選挙制度の改革まで至ったのも事実でございます。しかし、小選挙区になったということで、本来ならば選挙区が小さくなったら経費も少なくなるだろうと期待をして、一時的にそのような事務所としてもそのような状況があったんではないかと期待をしておるんでありますが、必ずしもそうでなかったということは本当に悔しい思いをしておりまして、お金がかからない政治をもう一度、原点に立ち返って作り上げる努力をしていかなければいけないと思い新たにしているところでございます」

 −−首相はかつて「秘書の責任は政治家の責任だ。私だったら潔く議員をやめる」と言っていた。過去に記者クラブをフリーなどに開放にすると言っていたが、その気配はない。首相がきれいな言葉を言ってもうそをついているとしか世の中はとらず、支持率は下がる一方だと思う。自分の言葉の軽さについて見解は

 「軽いといわれれば、反省もしなければならないと思います。今、お尋ねがありましたけれども、私は、従って、過去の言葉に対しても言い訳をするつもりはありません。その上で、今日、お話を申し上げました。それから、記者クラブというか、この記者会見の開放に関しては、来年からもっと開放されるようにと申し伝えているところであります。本来ならば100日前に行わなければならないことでありましたが、なかなか諸事情、スペースの問題も含めて、すぐにできないことは申し訳なく思っていますが、どうせ信じていただけないかもしれませんが、そのことに関しては私の決意は変わっておりません」

 −−民主党の重要公約に検察・検察の取り調べの可視化があるが、自らが捜査の対象になったことで検察・警察のあり方を改革する能力や方針に影響が出るか

 「一言で申し上げますが、そのようなことで影響があってはならないと。そのように考えております」

 −−「責任を果たす、国民の期待に応えたい」というが、他の人では責任を果たせないのか

 「それは、私でなければという思い上がったつもりはありません。しかし、私が(党の)代表という状況の中で、国民のみなさま方からこの問題、すでに起きていたわけではございますけれども、多くのご支持をいただいて政権交代を果たさなければいけないと。そして、もっと国民本位の政治というものをつくれという大きなご期待をいただいた。そのご期待に応えなければならないというのも、私の大きな責務のひとつだと思っているからこそ、その意味での責任を果たしたいと申し上げているのでございます」

 −−6月以来の会見だが、その間に説明がなく、説明も同じだ。また、結果責任について、部下が問題を起こすと上司が責任をとるのは普通の感覚ではないか

 「はい、それは私の過去の発言もその趣旨で申し上げてきたと思っております。それに対して、先ほどから申し上げておりますように、ひとつは過去の秘書の責任は、その、当然、議員の責任だという思い、責任は当然ないとは思っておりません。あると思っております。その責任の取り方をいかようにすればよいかということで、悩みながら考えた結論でございます。その結論として、私としては、この状況の中でしっかりと国民のみなさま方のために今まで以上に、もっと正面に向き合いながら政治を進めていくべきだという結論を私なりに下したところでございます」

 「半年間、説明がなかったということでありますが、それは、その半年間の中で、また検察の捜査が始まったり、あるいはその間に選挙があったりしたわけでございまして、何も隠していたわけではありません。また、前回と今回、同じではないかというお話がありますが、私は何ひとつうそを申し上げているつもりもありません。今、私の知り得るすべてを正直に申し上げている段階でございまして、それがこのような言葉になってしまっているということは、ぜひともご理解をたまわりたいと存じます」

 「むしろ、勝場との間では、ほとんどなかったということでございまして、すべて任せているから信じ切っていたというのが、すべてでございます。お金が足りないというときに、署名をしてくれということで、お金の話がそのとき、その都度は出ておりましたけれども、一切そのような細かい話を秘書との間でもしたことがございませんでした。それがある意味ですべてのあやまちだといわれればその通りだと思います」

 −−五百蔵弁護士に質問だが、政治資金として(母親の)安子さんから流れたお金だったと思うが、実際は贈与ということで鳩山さんから説明があった。となると例えば平成19年度に平野博文官房長官に1000万円の政治献金が友愛政経懇話会からわたっている。そのあたりの他の議員に配ったお金の処理はどうするのか。返却を求めるのか

 五百蔵弁護士「大変申し訳ないのですが、私はそこのところ、何も考えておりません。私どもとしては事実を調査しておりますので、今後そういうようなことをすべきだという話があれば、私ども、やる必要あれば、それについても調査いたします」

 −−首相が政治資金の使い道を知らなかったことを聞く。政治家本人が支出・収入を把握されているべきだ。自分がどのような政治活動をしているか全容を把握してなかったことになる。首相は自身の政治活動を把握していなかったのか。自身の政治活動を把握していない方が首相の任に当たることができるのか

 「私自身の政治活動については、私が活動しているわけですから当然存じ上げております。しかし、それにどのぐらいのお金がかかっていたかということになると、それは今、お話がありましたように大変信じられないと思われるかもしれませんが、十分に把握していなかったというのが真実でございます。そのことによって、しかし、私は一番大事なことは、確かにどれぐらいお金が使われているかということも、把握をするべきだったと、今からみればそう思います。しかし、そのことをすべて任せ切ってしまっていたのでありまして、自分としては政治活動に専念をいたしていたと申し上げるしかございません」

 −−国民の支持が得られなくなったときには責任を取ると言っていた。責任の取り方として、総辞職をして後継に託すのか、衆院解散をして国民の信を問うのか

 「まだ、私としてはそうならないように全力を尽くしたいと思っておりますので、今、そのような仮定の状況の中でどのような決断をするかは全く考えてはおりません」

 −−所得報告や資産報告など首相が公開してきた書類はほとんどウソだったことになるが、どう考えているのか。私腹をこやしていないと言ったが、ウソによって表の政治資金として使えるお金は確実に増えているわけだから、政治家として十分なメリットを受けていると思うが、どう考えるか

 「私は今、決して、いわゆる一般に言われているような形での私腹をこやしているということを行った思いもありませんし、また、今回の事実もそのようなものではないと理解をいたしているところでございます。すみません。最初の部分に関して」

 −−政治資金はほとんど全部ウソだったことになるが

 「確かに元秘書がそのようなことを行っていた、苦し紛れに実際にも、いただいていないにもかかわらず、そういった方の支持者などの方のお名前を貸していただいたことも含めて、多くパーティー券の購入に関しても、また、5万円以下の件に関しても、虚偽記載が極めて多かったというのは事実でございます。従いまして、この件に関して、当然のことながら、できる限り真実というものが判明いたしたときに、正直に正確に修正しなければならない。そのように考えております」


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091224-00000598-san-pol


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