<党首討論>詳報  09・5・27

<党首討論>詳報 
5月27日15時37分配信 毎日新聞

麻生太郎首相(自民党総裁)と鳩山由紀夫民主党代表による初の党首討論の詳報は次の通り。

 ◇鳩山代表

 麻生総理とこのような形で党首討論ができることを大変幸せに感じております。私にとりましては4人目の総理大臣でございますが、国民のみなさま方が最も不満に思っていることとか、あるいは一番気にかかっていることとか、そういうことを国民のみなさま方を代表して私の方からお尋ねをし、また意見交換ができればと、このように思っておりますので、有意義にぜひ意見交換をしたいと考えております。

 その意味では、基本的には内政問題を中心にお尋ねをしたいと考えておりますが、やはり最初は北朝鮮の核実験のことに関して申し上げなければなりません。このことに関しては、私ども野党も与党もありません。北朝鮮のあのような行為に関しては断固抗議をしなければならない。その思いは同じでございます。従いまして、協力を申し上げるべきところは大いに政府にも協力を申し上げたい。その思いをまず申し伝えておきます。

 ただ、ちょっと気になっておるのは、このような大きな出来事が発生したときに、いかに情報というものを、入手をして、そしてそれをコントロールするかが大変重要なことだと思っております。言うまでもありません。北朝鮮は日本には事前に通告はなかったのでありますが、アメリカや中国には通告があったとうかがっております。その事前通告、アメリカから日本に対してすぐに通告があったのかどうかということに関して、やや混乱しているように思われてなりません。中曽根外務大臣は、それはなかった、外務省の幹部の方もなかった、しかし一部の官僚の方はあったと、そんな話が伝わってきます。事実というものを国民のみなさんにお知らせ願いたい。

 こういう大きな出来事に対する情報の入手とコントロールは大変、この国の危機管理において大事なことだと、そう思っておりますので、ぜひみなさん方に、国民のみなさんに事実をお伝えいただきたい。

◇麻生首相
 まず新しく、代表に、再び代表に就任されましたことをお祝い申し上げたいと存じ上げます。党首討論は私どもの方からも、これまで民主党に何度も開催を申し入れてきていたところでもありますので、今回ようやく実現したので我々も喜んでおります。ぜひ我々、そしてどちらが内閣総理大臣としてふさわしいか、どちらの政党が、政権担当、担う力があるかということを、こういった党首討論という機会にいろいろ意見を戦わせていきたい。

 ただ、討論でありますんで、これは予算委員会等の質問にお答えするというだけではありません。討論というんですから、私どもの方から主張致しますし、私どもの方からの質問にも意見にも鳩山党首のご意見なり、民主党のご意見なりを聞かせていただいて、それで初めて討論になるんだと思っておりますので、私どもとしては、ぜひその点もあらかじめ、お話をさせていただいておかなければならないと存じ上げます。

 ぜひ我々としては、今置かれております状況というのは、よく100年に一度と言われますように、極めて経済危機というものに端を発し、いろいろな危機が我々の前に存在しております。従って我々としては国民に対する、いわゆる社会保障と、そして国家としての安全保障と二つの保障というものが極めて大きな意義を持っている問題だと思っております。ぜひ、そのうえで我々としてはこの基本的な二つの保障という問題に対してはどのような考え方をお持ちであるかということが、我々としては最大の関心事であろうとも存じます。

 ぜひともその点を考えました時に、まず最初の安全保障の件に関して言わせていただければ、北朝鮮の核の実験、これは2回目の核実験であります。国連の安全保障理事会の決議にも、1718にも明らかに反した事件でもあります。そういったことに関しましては、断固、国際社会で一致して国際社会のメッセージとして北朝鮮にきちんとした国際社会の世論というもんを正しく伝えるというのが一番大きな意義であろうと存じます。この点に関しては双方違いがあろうとは思いませんが、その意味で今回の実験に関して情報がかなり早めに伝わっていたということは事実でございます。しかし、その事実をいつの時点でどうあったというのは、これは双方、この種の話はしない約束になっている、これまで来ております。

 これまでこの種の情報をあらかじめ何時何分に、いつ来たということを政府として申し上げたことは一回もないと存じますし、他国もそういったことは約束してお互いの情報に関してはきちんとしたことを言わないというのがルールでありますんで、私どもとしましては、その点はぜひご理解いただいておかなければならないと思っております。従いまして、我々としては、一番の問題は、この種の話が起きた後の問題として国際社会とどのような対応をするか、私は少なくともアメリカの大統領と話をし、韓国の大統領とも話をし、そしていろいろな他国との話等したうえで、国連におけます安保理の決議を速やかに実行すべく、ロシアの議長の時期ではありましたけれども、ロシア議長のきちんとした対応として今回の安保理決議は極めて厳しいものになる、いうものを今、目下我々が作った文章でこれは今作成しつつあるというところまできておりますので、一番肝心なのはこの種の問題が起きた後の対応が一番大事なんだと、私どもはそう考えております。

◇鳩山代表
 質問にお答えいただけないのは残念でありますが。

 私ども、当然のことながら国民のみなさま方に政府がいかにサービスをするかということであり、このような北朝鮮の核実験という大きな問題がかかっている時は、いち早く国民のみなさま方に対してそれを知らせる義務があるのではないかと思っているわけであります。

 これを隠して、結果として知らなかったと言ったり、事前に知っていると言ったり。そのこと自体、麻生総理がお話しされるんだったら、それは言わないことになっているんだとすれば、みなさんおっしゃっているじゃないですか。知らなかったと言ったり、あるいは知っていたと言ったり、そのようなことに対してもっと情報管理をうまくなさらないとこの国、もたないんじゃないかと本当に心配でございます。

 安全保障の問題もいろいろとこれから将来、麻生総理とは、しばらくの間、党首討論が、機会があろうかと思いますので、その時に大いにやり取りをしたいと思っておりますが。

 私は、一番大事なことは、時の総理がこの国をどのようにしたいか。すなわちビジョン、理念というものがまずあって、この理念に基づいてどういう具体的な政策を作り上げていくか、これが極めて大事であるのに、どうも今までの自民党総裁、総理になられた時に、総裁総理になることが目的であって、なって何をやるかということがなかなか決まっておられない。だからこそ結果として、官僚任せの政治になってしまっているのじゃないでしょうか。私はそのことが一番心配でございます。

 私は、つい先日ありました代表選挙の時に……。

 (静かにしてください)

 私が申し上げたのは、友愛社会というものを建設をしたいということを申し上げました。このことに関していろんな批判の声も聞こえてきます。でも私は非常に、ある意味では古いけれども極めて新しいテーマだと、そのように思っているわけでございます。

 今この国に欠けているのは、社会におけるきずながずたずたに切れてしまっている。一人一人のみなさん方に居場所がない。これは大変深刻な事態だと思います。私は愛という言葉を用いましたが、きずなのある、居場所を一人一人が見いだして、みんなが役に立っているな、みんながそのことによって幸せを感じられる社会を作りたい。一言で言えば、人の幸せを自分の幸せと思えるような、そんな世の中にしたいと、そのように思っておりますが。少なくとも今の日本の政治はまるでそうなっていない。相手の幸せをねたんでみたり、人の、むしろ不幸というものを喜んでみたり、こういう世の中が結果として政治も悪くするし、社会も悪くしているんじゃないか。

 なぜそのような現実が起きてしまったか、総理におうかがい申し上げたい。

◇麻生首相
 あの友愛という精神は昭和30年、確か鳩山一郎・内閣総理大臣の時に使われた言葉と思います。確か中学3年生ぐらいの時でしたけれどもかなり記憶が残っている言葉でしたけれども、私どもとしましては、その言葉をかなり大事に使われている。

 私は人に対する情愛というものを掲げられているということに関しましては、私どもは全く異論はございません。ただ、問題はこの種の理念、抽象論ということではございませんで、現実問題として我々は100年に一度という経済危機に直面していることは事実です。

 それに伴いまして、多くの雇用の問題が発生してみたり、また住宅の問題が起きてみたり、また新たに朝鮮半島の脅威などなど、数え上げれば切りがないような現実論を抱えておりますので、それにどのように対応していくかは我々時の政権にとりましては最も重要な案件だと思っております。

 そのうえで私どもは、小さくても温かい政府ということを確か最初のころに、7カ月ほど前に申し上げて参りました。我々はきちんとした対応をしながらもということを申し上げて、政府は小さくすればいいというだけではないのではないかということも申し上げた。

 また最初に、我々はどのような形で国を、というお話がありましたので、我々はこの置かれている状況を、今後とも日本としては、ほころんできているいろんな福祉の面に関しましても、我々はきちんとやっていかなければならないということを申し上げているのであって、我々としての理念がないとおっしゃられるなら、私どもこそきちんとした理念というものをそれなりに申し上げておりますし、そして現実問題として政権交代と言われますけれども、政権交代は手段であって目的ではありません。

 従いまして、どのようなことを現実問題として民主党がなさろうとしているのか、そこが我々から見ますと、社会保障の問題も、また安全保障の問題も、極めて不安を抱かざるを得ないというのが多くの国民の気持ちだと思います。

◇鳩山代表
 いろいろお話をうかがいましたけれども、理念的なことは一切聞かれませんでした。残念であります。私どもは当然のことながら政権交代は目的ではまったくありません。スタートラインだと思っております。そこから新しい日本が生まれるんだと。そのスタートラインに我々は立たなければならない。私は、具体的な話がなかなか見えないとおっしゃるものですから、時間の制約はありますが、一つこういう具体例を申しあげたい。それは三鷹第四小学校の例です。

 そこでは当然、教師はおりますが、教師のほかに200名のボランティアの教師がエントリーされております。20人のクラスに1人の先生と3人、4人のボランティアの教師がついて、例えば分数の教育を行う時に、なかなか落ちこぼれが多く子どもたちが困っている。それに対して一人ひとり、個人指導をして、今はまさに落ちこぼれがなくなっている。子どもたちも満足をしてボランティアの人たちも子どもたちにも幸せを与えることにより幸せを感じている。

 私が先ほど申し上げたように、みんなが人の幸せを自分の幸せに感じることができる、それはまさに社会のきずな、あなた方は小さな取るに足らない小さなことだと思っているかもしれないけれども、これがこれからの日本を築き上げていく原動力だと思っております。

 すなわち、一人ひとりが何が幸せか感じ取れるような社会、居場所というものを持てるような社会を作り上げていかなければならない。しかしそれには今のこういう話を冷笑するような人たちの考え方を去っていただかなくてはならない。政権交代をしなくてはならない。

 すなわち今の、具体的に申し上げますが、今の麻生政権、連立政権ではございますが、官僚主導の政権ではありませんか。それに対して私たちは国民、市民、生活者に視点を当てた政権を作りたいんです、みなさん。もっといえばいわゆる「タックス・イーター」、税金というものを食ってばかりいる人たちに発想を求めるのではなくて、「タックス・ペイヤー」、税金を支払っている側に立って、その発想のもとで、一つひとつの政策を作り上げていく。中央集権的の発想があなた方にはまだあるのです。その中央集権的な発想をやめて、地域のことは地域に任せる、地域主権の国づくりに変えていく。それが私たちの考え方です。もっと分かりやすくいえば、みなさん方、業界中心の縦国家なのです。そういうものに対して我々は市民の連帯を大事にする横社会というものを作り上げていきたい。こういうことを私たちは革命的な志としてやらなければならない。

 一言で言えば「古い政治よ、さよなら」です。新しい政治を作るという発想に、どうしてもっと麻生政権、前向きになれないんですか。

◇麻生首相
 今、三鷹小学校という一例を引かれたんですが、全体像がよく見えてこないんで、今一つそれを全国でやれるということをやる場合に、どのような、具体的にどのような政策にして、どのようなルールを作って、どのような予算をつけて、ということを具体的にやっていかないと、なかなか我々としては目に見えてこないんだと思っておりますけれども。

 三鷹小学校以外にもそういう例がないわけではありませんから、そういった意味では、今の例を申し上げられましたけれども、それだけではなくて、お互いにそれぞれの居場所を考えてるというような話も極めて抽象的ですんで、ぜひ現実問題として、いろいろな例を引かれるというのに伴って、それに合わせて政策を実現する、政策として具現化していくということが最も大切なんだと思っております。

 これが一番大切なんじゃあないんですか。政治家してるんですから。我々は学者しているわけではありません。評論家しているわけでもありませんので。現実問題をやらなければならないという立場におりますので、そういったものをきちんとして、我々はやっていかなければならない。また官僚目線というお話がありましたけれども、公務員には私は公務員としての仕事があると思っております。公務員というものは誇りを持って公のために、国家のために尽くすような誇りを持ってやれるようにしてあるというのが基本であって、官僚バッシングだけやっててもなかなかうまくいかないのではないか。

 加えて、官僚を使われる立場に今なろうと目指しているのでしょうから、その時には官僚ということを言われるというんであれば、官僚に対してぜひ、その公に尽くすという公務員というものをきちんと、その人たちをやる気にさせるような方法を、社長になられるおつもりなら、そういったものを考えておかれないと、とても役人、公務員というのは動かないと思いますよ。それが基本だと思っています。

 ◇鳩山代表
 極めて上から目線の麻生総理らしいお答えをいただいたなと思います。私は、もっと分かりやすく言えば、政府による解決は、これはお金がかかりすぎる、ある意味での悪平等という弊害に陥ると、それに対して市場原理というものにすべてを委ねると、今度は弱肉強食という世界に入ってしまう。悪平等と弱肉強食、これはどちらとも国民のみなさま方に幸せを与えるものではなかった。だから私たちは今、第3の道を模索しなければならない大事な時なんです。

 その発想はむしろ、今までボランティアとかNPOとかコミュニティースクールとか、なかなか大きな光というものが政治に与えられて来なかった分野に対して、もっともっと政治に、そういう政治の光を当てることによって、全体としてコストもかからないんです。ボランティアを中心として頑張れる社会なんですから。コストがかからないし、満足もより得られる、そういうさまざまな仕組みがいろんなところでできているんです。もっともっとまじめに、総理そして麻生政権を構築しておられる方は、そのことをまじめにご覧になっていただかないと大変であると。だからこそ私たちはやはり、分からない方々がそちらにおられると、政権交代してスタートしなければならない、そういう発想にならざるを得ない。

 私はここであえて申し上げたい。友愛社会の国家を築いていく時に、二つのことが必要なんです。それは一つは、いわゆる国民のみなさんに、そうは言ったって政治に対して信頼ないねと言われたら終わりですから、政治に対する信頼というものを回復させねばならないと。それからやっぱり、上から目線の官僚主導の政治というものを打破していかなければならないんです。この二つが我々の基点です。そしてその、今日、政治改革推進本部というものが開かれて、岡田本部長のもとで、我々は政治とカネの問題、確かに西松の問題ありました。反省の中から我々としては結論を出しました。

 これは……(ヤジ)うるさいですね。企業、団体献金をパーティー券も含めて、3年後には完全に禁止をするというのが一つです。それからいわゆるダミーの政治献金、政治団体からの献金、これは3年後ではなくて今からすぐにすべて禁止をする。それから世襲に関しても当然、制限をする。3親等以内、同じ選挙区からは出られないことを党規で決める。このことを私たちは、三つのことを決めましたが、ぜひ、これからですね、法案をすぐに準備をいたしますので、政治とお金の問題に関して、自民党さん公明党さん、与党のみなさんも協力して法案の成立を図ろうじゃありませんか、国民のために。

◇麻生首相
 まず、基本的に官僚目線、上から目線というのがよく使われるお好きな言葉であるということはよく理解しておりますが、国民目線と、国民目線といわれる言葉を使われるんだったら、やはり国民からして最大の関心は西松の問題だと思います。この国民からの目線というものは、一番の関心事であって、これに対しては、鳩山代表として十分にその問いに対して、説明を果たされたと思っておられるのでしょうか。また、責任を取られたという話をされますが、責任を取られた方が、鳩山代表に次ぐ代表代行になっておられるのが、責任の取り方なんでしょうか。

 私から見ますと、なかなか国民目線から見ると、なかなか理解しがたいというのが正直な実感だと、私は、ほとんどの方がそう思っておられる。これは世論調査でもよく出てきている数字だそうですから、ぜひその意味で、きちんとした説明責任というのを十分に果たされていないと、これらのご質問に対しては、なかなか問題なのではないかと。

 少なくとも今回の企業とか団体献金禁止を打ち出されておられますが、これは違法の献金の疑いで小沢代表の秘書が逮捕されたことがきっかけではなかったんですか。私どもからはそう思っている。従って現在の法律ですら守られていないという疑いがあるということだと思っておりますので、少なくともこの改正法の前に、現行法ですら守られていないところが問題なんだと思っています。従って秘書の……。

 (静粛に願います)

 秘書の違反を契機に、制度が悪いと言うのは論理のすり替えだと思います。私どもはそういった意味でぜひこの点に関しては十分な説明をされるというのが大事なんであって、そうしないと少なくとも違反の話を棚上げにして、制度の変更、というのは、これは単なる論旨のすり替えだと言われてもやむを得ないところだと思います。

 また企業献金、世襲の話などいろんなご論議があり、私はいいことだと思います。ぜひこれまで議論を積み重ねて、少なくとも後援会は企業、団体からの献金は禁止になったわけですから、それを犯された方がそこにいらっしゃるわけで、そういった意味では、きちんとした決着をつけねばならない。

 私どもはきちんと、そういった疑いがあるから逮捕されたと思っております。ぜひそういった意味では、我々としては、きちんとした対応がなされるようにならないと、この話はなんとなく空理空論ということになりかねないという、そういう感じを思っております。

 また世襲の話が出ましたが、各党がいろいろなルールを作られるのは、いいことだと思います。私どもは少なくとも、安倍幹事長代理のころだったと思いますが、あのころから公募という制度を積極的に採用させていただいて、多くの地域で公募というものを正式にスタートさせていただいて、その支部でいろいろされる。私はその中から選ばれた方は、有為な方であれば、立派な支部、党の選択であって、私どもとしては、その党の中の論議としては、踏まえて行うべきだと思っています。

 また法律に関しては、言わしていただければ企業献金の話も法律の話ということだったと思いますが、それは先ほどお答えした通りです。

◇鳩山代表
 総理、今ですね、大変聞き捨てならない発言をされました。私どもの側に政治資金規正法を犯した者がいる? 決まったわけじゃないでしょう? 決まったわけじゃないでしょう? これから裁判で決着がつく話でしょう。その話で言えば、そちらにもたくさんおられたじゃないですか。

 おかしな話ですよ。漆間官房副長官がおっしゃいましたよね。「自民党には捜査は及ばない」。及んでないんですよね。同じことをして、一方では秘書が逮捕・起訴され、他方ではなんにもおとがめなし。こんなバカなことが行われている。これが検察官僚のやることなのかと。我々はここで官僚国家に対して、しっかりとした歯止めをかけなければならない。そう真剣に思っているわけであります。

 それから、国民のみなさんが一番関心があるのがこの話だということに関して申し上げれば、新しい体制ができて、この新しい体制のおかげで、さいたまの市長選挙も勝利できましたよ、おかげで。国民のみなさまが、たいへん期待感を持っていただいているということは、我々にとっても大変ありがたいことだと思っているんです。

 小沢代行の説明責任について申し上げれば、私が幹事長時代に、第三者の方々に集まっていただいて、第三者委員会というものを作りました。そこに、もう既に小沢代行を呼んで、2時間ほどヒアリングしました。そこで、説明責任の部分がほとんど理解されたようでありますから、いずれ近いうちに報告書が出ますから、それをどうぞご覧になってください。もっと大事なことは、小沢代行の説明責任の話ばかりで、検察も第三者委員会に来るのを逃げましたし、メディアの方も逃げましたよ。誰も来ないですよ。おかしいんですよ。こういう一方的な国のあり方というものに対して、だから私たちは、上から目線の政府に対して、国民の目線に立った政治というものを今こそ作り上げていかなきゃならない。そう、重ねて申し上げたい。

 さらに申し上げれば、全然、今の企業団体献金に関して、答えになってないじゃないですか。これは別に、我々だけがやらなきゃいけないって話じゃないんですよ。みなさん方も一緒にやって、そのことによって国民のみなさんが、日本の政治も政治家も、少しはマシになったね、と言われたいじゃありませんか。そのためにも、もっともっと努力しようじゃありませんか。まだ通常国会の時間が残っていますから、我々、法案を必ず出します。どうぞ、通すために協力を心から願いたいと存じます。

 時間が大分なくなって参りましたが、私から申し上げたいことが、まさに、その、官僚目線の話でございます。民主党の若いメンバーが中心となって調査を致しました。つい先日、結果が出て参りました。天下りです。どのぐらい、いると思いますか? 4500の天下り団体に、2万5000人の天下った方々がおられて、そこにですよ、国の予算がどれだけ出てると思います? 12兆1000億円のお金がそこに流されているんです。そのうち半分が随意契約ですよ。どうなっているんですかこれは、この国は。まさに官僚の利権をそのまま擁護する政治家たちが、このような信じられない天下り天国を作ってしまっているじゃありませんか。どうお考えなんですか。

◇麻生首相
 まず最初に企業団体献金の話ですけれど、私どもの聞いてる範囲では明らかに、後援会というものには企業団体から献金はできなくなっているんじゃないんですか。基本的にそうなっていると思いますでしょ? そこに明らかに出されたと思われているから、こういった話になったんだということなんじゃないんですか? 私どもはそこが一番肝心なとこで、それが一番の多くの疑念を抱かれているのに対して、説明責任をきちんと果たしておられますか、と聞いておるんであります。

 責任を果たしておられないという世論というものに合わせて代表を退(ひ)かれたんだ、というのはそれなりだと思いますが、その後すぐ代表代行に間に置かれる。またその後、その時には一心同体だとか、殉ずる時は殉ずると言っておられた方が、そのまま代表になっておられますんで、そういった意味では、我々としてはなかなか、あれ? こないだの話とは違うではないかと、正直にそう思っております。従いまして、言葉というものは極めて大事にしなくちゃいかんと思いますので、私どもとしては、そういったようなことを、大事にするということを、我々としては、政治というものの信頼を回復していく上でも、ものすごく大事なことだと思っております。

 企業献金につきましては、先ほどご答弁申し上げたと思いますが、企業献金については、企業にも、社会の一構成員としての立派な存在意義があると思っております。きちんとした法律で認められておりますので、企業団体献金はきちんとした政党に出さなければならないというルールに決まっておりますので、そういった形で政党に企業としての献金をするということに関しては、我々が論議して認めたルールなんではないですか。そういったことを考えて、もちろん、労働団体、労働組合含めまして、団体からのいろいろな献金というものがいろんな形でなされているのはご存じの通りでしょう。

 そういった意味で、我々としては、今申し上げたような形を、きちんとした形で対応していくというこれまでの経緯がありますので、いろいろ論議されるのは全然問題ない、我々は前から大いに賛成ですとずっと申し上げてきていると思っておりますんで、これは政党間でいろいろ話をしていただかなきゃならんのであって、私が申し上げてるのは、今回の端を発したもともとの話を企業団体献金の禁止にすり替えるのはいかがなものかということを申し上げてますんで、そのことが一番違っているところだと思っております。

 また今の話に関してましては、天下りの話に関しましては、法律で向こう3年間天下り、渡りは認められておりましたけど、私の時に、渡りに関しては、天下りに関しましては、いずれも今年から禁止ということにいたしたと記憶します。従いまして、そういった3年以内の話をきちんとした対応をしたというのも、はっきりと対応したと思いますので、その種のことに関しては、いろいろと、今後とも、随意契約の話、また入札の話、我々は今後とも、こういったものがきちんとした、開かれた形で行われるよう、努力していかなきゃならないと、基本的にそう思っております。

◇鳩山代表
 積極的にやっていただけるのか、やっていただけないのか、さっぱり分からないご答弁でありました。ただぜひ、企業団体献金は我々、すり替えの議論をしているつもりはまったくありません。李下(りか)に冠を正さずという言葉をお送りしておきたいと思いますし、ぜひ、正しいことをやっていた、全部オープンにしていた、でもそのことによっても逮捕されてしまった。ならばその元を断たなきゃいけないでしょ、と。

 (ヤジ)うるさいですね、静かにしてください。私も、企業団体献金を悪だと決めつけるわけじゃありません。現実の問題としていろいろな事件が起きてしまう、そのことによって政治に対する信頼が失われてしまう、この繰り返しだけは避けなきゃいけない。小沢代行のだけの話じゃないですよ。そちら側にも、むしろ数としてはあまりにも多く同じことを起こしてる人がいるのに何もおとがめないということのほうが、私にはよっぽどおかしな話だなと思っています。

 この話を繰り返していてもまさにせん方ない話で、我々法案を出しますから、みなさん方のご協力で成立をしていただきたい、重ねてそのことをお願いしておきます。

 それから、あまりにもめちゃくちゃな補正予算であることは、あなたがたがよくお分かりになっていると思います。官僚まかせの弊害極まれるという話でありますが、アニメの殿堂、総理がアニメがお好きなのは知っておりますが、117億円を、なんで、ソフトパワー重要なのは分かりますけども、箱物にそんなお金を使う必要があるのか、このことは逆に、いわゆるマンガ喫茶の民業圧迫になるじゃありませんか。こういうことを平然と行ってしまう。

 それから役所にだけはですよ、71億もかけて地デジ対応のテレビを入れるってんでしょ。7万1000台をなぜ国民でなく役所が先に地デジ対応のテレビを入れなきゃならないんですか。エコカーにしてもなんで、役所は最後でいいはずなのに、なんで最初に1万5000台、588億ですよ。ばかにならないお金ですよ。それをあっという間に目をつぶってはんこを押してしまう。こんなことに補正予算を使っていいんですか。補正というのはそもそも、緊急性のあるものに対して使われる予算でなきゃならないのに、まるで緊急性がないものに平然として使われてしまっている。この国の仕組みはやっぱり官僚任せだな、その極めつけは役所や、あるいは独立行政法人に対する施設整備費、どのぐらいだかお分かりですか? 本予算で6490億円だったと思いますが、本予算でも6490億円だったのに、補正だけで2兆8000億円ついてんですよ。なんで役所の整備のためにこれだけの予算がつくのですか。これはまさに、官僚の官僚による官僚のための予算だと言われてお答えできますか?

 官僚の悪乗り、お手盛り、焼け太り、そんな予算じゃありませんか。私たちはだからこそ、こういう無駄遣いを徹底的になくすために今日まで戦ってきたんです。あなた方が本来ならやらなきゃならないことを、野党の我々が協力してやってきたんです。そのことに対して、もっとあなた方は評価をされるべきです。ぜひですね、こんな無駄遣い、一掃させようじゃありませんか。そのためにはこんな補正予算、やめようじゃありませんか。

◇麻生首相
 あの、いろいろご意見は、ご意見があるようですけど、まず最初にさきほどの話をうかがうと一つだけどうしても気になったとこがありますので、そこだけ再確認させていただきたいのですが、正しいことやったのに秘書が逮捕されたと言ったのですか。

 ◇鳩山代表
 本人としては政治資金規正法にのっとってすべて行ったにもかかわらずと、これは本人が昨日、保釈をされましたその時の弁であります。

 ◇麻生首相
 基本的にご本人の話であって正しいと思ってやったけれども、法に違反していたという話はよくある話ですから、少なくともそれをもって、国策、国策捜査のごとき話にすり替えられるのは、本人が正しいと思ったという話ですけれど、本人が正しいと思ったことであっても、少なくても間違った場合は逮捕されるということは十分にあるのであって、それは国策捜査ということではない、私どもは基本的にそう思っております。

 また、いろいろな国の予算の話がありましたけど、まず基本的には我々は今回の複数年度の予算、単年度ではなく複数年度の予算編成をということを考えないと今回の危機には対応できない、私どもはそう思っております。従いまして、我々としては複数年度の予算をするための考え方の一つとして基金というものを、使わせていただいたというのが基本であります。

 従って、これが今回の経済危機に対応するにあたって、きちんとした対応をしていったというようにご理解いただければと思っております。また東京の外環の道路の話にしても、そのほか長期間かかるものに関しては、我々としては今年度を考えた場合、時間としては、我々としては、当然ある程度時間がかかるというのは当然のことだと思います。

 また自動車、テレビのお話がありましたけど少なくても御党では、確か次の中期目標に関しましては最大限6%、えー、22%か、1990年比で、確かそういう目標、極めて高い目標を掲げておられました。それを達成するためには、その目標を達成するためには、我々としてはかなりな個人の経費がかかるということも覚悟していただかねばならん。私どもはそういうご意見が出されておりましたけど、少なくとも可処分所得で22万円新たにかかることになります。加えて光熱費も14万円かかる。合計36万円もの支出がかかるということを世論が認めているかといえば、多くの世論はそれに対して反対のパブコメを寄せておられるというのもご存じの通りです。

 従ってきちんとした対応というものを考えないと、理想だけ抱えても現実論としてそれだけの経費負担を国民が払うということに関しては理解が得られない。我々はそれに対してきちんとした対応を我々なりに考えさせていただいた結果であります。

 ◇鳩山代表
 何かね、意味のない答弁を長くされて時間だけつぶされて、これが党首討論だと言われたらもったいないですよ、国民のみなさんに。本当に残念でなりません。結局みなさん方の考え方は官僚に依存して予算を組む、しかしほとんどが借金だと。借金でこれはやってられないから2年後には消費税の増税だと、そんなめちゃくちゃなですね、予算を組むような政府には早くご退出を願うように、私どもも全力を尽くして参りたいと思います。

 まず国民のみなさま方が新しい政治を起こすために、協力をしていただいて、そのことで誇りに思えるような国をぜひ作っていきたいと思いますから、これからもどうぞ党首討論、存分にやろうじゃありませんか。終わります。

 ◇麻生首相
 あの、ひと言だけ。今後のこともありますので、ひと言だけお答えします。答弁が長すぎるというお話でしたけど、これは討論であって答弁ではありませんので、今後とも討論をさせていただくうえには、答弁を求めるというような形ではなく、討論を申し込んでいただくようにお願いを申し上げます。






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